2007年度のHCGシンポジウムにおける特別講演の内容が下記の通り決まりましたので,速報としてお知らせいたします.多くの方々のご来場,お待ち申し上げます.
特別講演 「芸術とヒューマンコミュニケーション」
3月22日(土)15時00分~17時00分
講演者 藤幡 正樹 氏 (東京芸術大学)
演題:「メディアからの眺め」
要旨:コミュニケーションのあり方を分析考察し、それを意味内容(コンテンツ)と、それを伝達する媒体(メディア)に分解する考え方が主流であるが、それは過去のメディアを考察した場合にかぎる。絵画を画材(キャンバスや絵の具)と画題に分解しても、その画題がどのようにして描かれ、それがなぜそう扱われたのかは理解することはできないだろう。そこには筆を持った画家が呼吸をしながら過ごした時間が含まれている。過程に注目するとともに、メディアそのものがコンテンツとなることが芸術(創造)であることを理解する必要がある。
講演者 三浦 佳世 氏 (九州大学)
演題:「絵画の中の視線・鑑賞者の視線」
要旨:進化論的には本来、隠すべき視線を、人はコミュニケーションの手段として利用することを選択した。したがって、曖昧で多義的な視線情報に対し、私たちはすばやく正確な判断を下すことができる。このことは絵画の中の視線にも適用される。ここでは、浮世絵を用いた心理学実験をはじめ、芸術における視線をめぐる話題を提供し、作品とそれを見る鑑賞者とのコミュニケーションについて考える機会としたい。
企画・司会 行場 次朗 (東北大学)