運営委員長のご挨拶(2008年度)

ヒューマンコミュニケーショングループらしさの継続

2008年度ヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長 佐藤 誠(東京工業大学)

運営委員長

現在,ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)にはいくつの研究会があるか,ご存じでしょうか. 「ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)」,「ヒューマン情報処理研究会(HIP)」,「マルチメディア・仮想環境基礎研究会(MVE)」,「福祉情報工学研究会(WIT)」の4つの第一種研究会,「Webインテリジェンスとインタラクション研究会(WI2)」,「脳情報通信研究会(BICT)」, 「身体性情報学研究会(IEB)」の3つの第二種研究会,そして「ヴァーバル・ノンヴァーバルコミュニケーション研究会(VNV)」,「料理メディア研究会(CM)」,「人間とICT倫理研究会(EHI)」の3つの第三種研究会,あわせて10の研究会がすでに設置されています.グループ発足当初から続いている研究会から 昨年度生まれたばかりの若い研究会まで,それぞれの研究領域で独自性をもって活発な活動を展開しています.

本学会がソサイエティ制を導入することになった1995年に,新制度導入以前の基礎・境界グループの中にあったヒューマンコミュニケーション研究会が母体となり, 4つのソサイエティとは異なるグループ組織としてHCGは創られました.はじめは三つの第一種研究会からスタートしましたが,学内外の学際的, 横断的な研究活動の場を年々拡げてゆき,発足以来14年を迎えて10研究会まで大きく成長したことになります. ヒューマン(人)を中心に据えたコミュニケーション研究の重要性はこれからもますます高まる一方であり,さらに新たな研究会が生まれてくるに違いありません.

学会活動の活性化と財政基盤の健全化を目指した各ソサイエティの独立採算化が本年度より本格化いたします. HCGもこの独立採算化の問題を避けて通ることはできません.このことに関しましては,数年前より相澤清晴HCG元委員長ならびに行場次朗HCG前委員長の リーダーシップの下,綿密な検討を重ねてきました.すなわち,HCGは,これまでの運営形態を尊重し,その特徴である学際的, 横断的な活動をいままで同様に活発に進めるべきである.ソサイエティ化による既存ソサイエティとの不必要な競合は望ましくない. さまざまな事業活動の活性化により財政基盤の確立を目指す必要がある.等々.そして,今後の基本方針として「グループ制の継続」が明示されました. 本年度は,この基本方針の具体化のスタートの年となります.

昨年度は,HCGのこれまでの活動およびこれからの活動に関して,会員の皆様の声を聞くためのアンケートを実施いたしました. その調査結果が上記基本方針にも大きく反映されています.また,このアンケートでは,具体的な今後の活動に関しても貴重なご意見やアドバイスをいただきました. その一部をご紹介いたします:HCGの特徴は自由な雰囲気で境界領域のテーマを様々な分野の人々と議論できる楽しい場と思い参加しています. 組織のさほど大きくない小回りの利くところに魅力があります.誰でも気軽に発表できるオープンな場であり続けてほしい. 各研究会の壁を越えた交流企画を行うと良いのではないか.HCGらしくインタネットなどを活用したバーチャルな組織運営はどうでしょう.

ご存じのようにHCGでは,毎年春に総合大会に合わせてHCGシンポジウムを開催しています.HCG全体の研究交流の場として皆様も毎年楽しみにしているかと存知ますが, 今年度はこのシンポジウムをさらにHCGの独自性を高めてより魅力的な企画にできればと考えております.現在,企画WGを立ち上げて検討をはじめているところです.このシンポジウムを含め,HCGの事業活動がより一層楽しく充実して,会員の皆様に積極的に参加していただくことが,HCGの基本方針「グループ制の継続」の実現のための近道だと思われます.

今後ともご理解,ご支援をよろしくお願いいたします.